近況報告(後藤( 五雲寺)妙子さんから)

 3. 11. あれから12 年

左手でヘキサンの入ったフラスコを振りながら、右手でマントルヒーターの調整をしていた1 4 時4 6 分、ズドーンぐらぐら・・・

訓練に従って、「揺れが少し収まってから避難! 」と大きな声で指示を出したものの、大きくなるだけで全く収まらない。「だめだ、すぐ避難開始! 」叫んだけれど歩けない。階段で座りこみ体を壁に叩きつけられながらも何とか非常口まで辿り着き扉を開けると、建物と地面の間に大きな亀裂! ジャンプして外へ。悲鳴を上げ私にしがみつきながら泣いてる人もいる。何とか落ち着かせないと。従業員点呼をしているうちに、「まずい! 津波が来るぞ ‼ 」とスマホで情報収集していたS課⾧が叫んだ。特管織がすぐに集まり社有車に分乗させ避難所に向かわせた。4 人で建物を駆け上り降りしてボンベを閉め、閉じ込められた人がいないか確認し外に出ると、車が

大渋滞。出られない。やむなく徒歩で避難所に向かう。従業員の安否確認に追われた。逃げてきた職場がまさかあんな大きな津波に襲われているとは思いもせず。

濡れた体で避難してくる人が増えてきた。夜中に自宅に戻り頭に懐中電灯を括り付け片づけをしていて気が付いた。女川に単身赴任中の夫のこと。電話してもつながらない!妻になった。初めて涙が出た。声を出して一人で泣いた。幸い無事と翌々日に伝え聞き、夫の声は3 週間ぶりで聞けた。

亡くなられた方の1 3 回忌の今年、改めて振り返る。様々なものが失われたが、命があり今でも強く思うこと。全国から頂いた皆さんのご支援や思いで助けられたこと、本当に感謝感激! ! そして訓練の重要性。家族は本当に大事。明日何があるかわからない。今を大切にやりたいことはやりましょうよ。